花粉症のボツリヌストキシン治療(通称花粉症ボトックス)をご存じですか?
花粉症のボツリヌストキシン治療(花粉症ボトックス)をご存じですか??
「ボトックス」は、ボツリヌス菌が作り出すA型ボツリヌストキシンという天然のタンパク質を有効成分とする薬です。
正確に言うと、ボトックス®はアメリカのアラガン社の登録商標で、他のボツリヌス製剤を「ボトックス」と呼ぶことはできないのですが、一般的にボツリヌス製剤を「ボトックス」として認識している方が多いので、「ボトックス」という言葉を使用いたします。
ボトックス®を治療に使うといってもボツリヌス菌を直接使用するわけではありませんので、ボツリヌス菌に感染するという危険性はありません。
ボツリヌストキシンが神経から放出するアセチルコリンを阻害することで、過剰なシグナルで生じる痙攣や筋肉のこわばり・多汗・過活動膀胱などへの治療薬として使用されています。
では、なぜ花粉症に効果があるのでしょうか???
そもそも花粉症は、スギやヒノキなどの植物の花粉が体内に侵入した際に、体が過剰に反応して起こるアレルギー症状の総称で、主な症状は、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ・充血・涙などで、ひどくなると全身症状(だるさ、イライラ、集中力低下など)を伴うこともあります。
花粉が飛んでいる間は症状が続き、さらさらした鼻水が出るのが特徴で、日本人の約4人に1人が罹患していると言われています。
本来、花粉自体は無害なものですが、免疫機構の過剰反応により有害だと認知されてしまうと、それに備えて体内にIgE抗体が作られ蓄積されていきます。そして次にアレルゲンが体内に侵入した際に、表面にあるIgE抗体を介して肥満細胞が反応し、ヒスタミンやロイコトリエンなどの化学物質が放出されることで副交感神経が過剰に反応し、くしゃみ・鼻水などのアレルギー症状を引き起こします。さらに副交感神経が刺激されることで神経終末から分泌されるアセチルコリンが、ヒスタミンの放出をさらに促進する物質として働き花粉症の症状を増悪してしまいます。
ボツリヌストキシン製剤はアセチルコリンの放出を抑えるため、鼻粘膜の副交感神経に作用させると、鼻水や鼻づまり・目の痒みといった花粉症の症状が緩和されるようになります。
花粉症の治療として内服薬や点眼・点鼻薬などが、病院からのお薬だけではなく一般の薬局でも購入できるため、一番手軽に選ばれる対処法になります。内服薬には眠気などの副作用があるものや、効果を高めるために複数の薬剤が必要になることもあります。
また、アレルゲンの舌下免疫療法や注射(皮下免疫療法)による減感作療法もありますが、非常に効果が高い反面、両者ともに長期間の定期的な治療が必要となり、また後者は専門の医療機関での十分な管理下で行う必要があります。
花粉症ボトックスには、鼻粘膜への滴下法やガーゼパッキング法、さらには鼻腔粘膜に直接注射する方法もあります。
良い点としては内服薬と違い眠気やだるさなどの副作用がないこと、症状が強い時期でも処置が可能であること、早い方は処置後すぐに効果が出始めるなど即効性があること等があります。
欠点としては保険がきかない自由診療であること、既往歴などで治療を受けられない人がいること、効果に個人差があることなどがあげられます。
また鼻腔内に出血や腫れが起きることがあり、特に注射法はその程度が強めになります。
花粉症を発症していなかった昔は楽しかった春の陽気、お花見、エトセトラ・・・
花粉症の時期が非常につらい方、ぜひお試ししてみませんか??
